8月10日のフジテレビ「ノンストップ!」、「オトナのたしなみ」コーナーにでお盆について特集していました。
お盆ってそもそも何の行事なのか、何をする必要があるのか、もしかしていつからいつまでなのかも知らない人が増えてきてるのではないでしょうか?
結婚して旦那さんの実家へ帰省する際に、何も知らないというのは困ると思いますので基本を抑えておきましょう。
お盆のたしなみ
お盆の時期にご先祖様をもてなし、慰めることで幸福がもたらされると考えられています。
しかし、もてなすためにはご先祖様のスケジュールに合わせて行動することが大事。
ご先祖様のスケジュール①
ご先祖様は「あの世」に行き修行を積んでいると考えられています。
ご先祖様のスケジュール②
1年に1度だけ子孫の家で過ごすことが許されたのが8月13日〜16日
ご先祖様のスケジュール③
8月1日に「あの世」の門が開きます。
ご先祖様のスケジュール④
海を越え、山を越え8月13日に下界の仮の家であるお墓に着きます。
ご先祖様のスケジュール⑤
14日〜15日を家でゆっくり過ごし、16日に「あの世」へ戻るのです。
13日の「迎え盆」
ご先祖様がお墓に到着する13日は「迎え盆」と呼ばれ、お墓参りをするのが良いとされています。しかしお墓参りする時間にもポイントがあります。
それは夕方です。
お墓に到着したご先祖様の霊は、月が出る頃に合わせて家に帰るため、夜までお墓で待機するとされています。
そこで出迎える側は夕方にお墓へ行って、「今年もおもてなしの準備ができましたので、どうぞ我が家へいらっしゃってください」と、夜になる直前に声を掛けるのが良いんだそうです。
ご先祖様をお迎えする準備
13日の夜までに必要な準備は?
では、13日の夜にご先祖様が来るまでに自宅ではどんな準備が必要なんでしょうか?
13日の朝に盆棚を作る
欠かせないのがご先祖様をもてなす場所となる盆棚です。
仏壇の前に作るのが一般的で、小さなテーブルにお線香・お花・ろうそく・水を用意します。
当然食べ物もお供えしますが、その食べ物は「あん団子」「白団子」「そうめん」です。
これは平安時代から供えられている当時貴重だった小麦や米で作られたものです。しかし、これらは一度に供えるのでは無く、
- 迎え盆の13日にはあん団子
- 盆中日の15日にはそうめん
- 送り盆の16日には白団子
と、一つずつ順番にお供えします。※諸説あり、これは関西で多い風習だそうです。
理由は、
- 13日はご先祖様が長旅で疲れているので甘いあん団子で疲れを取っていただく。
- 15日はもてなしのメインとなり、古くから災いを払うとされていて、細く長くしあわせが続きますようにという意味を込めてそうめんとか、精進料理などをお供えして食べていただく。
- 16日の白団子は手土産としてお供えする。
そうめんはゆでて箸とつゆも供えましょう。これはご先祖様にも私達と同じ物を食べていただく。という考え。お菓子なども封を取ってお皿に入れてお供えする。(これも諸説・地域性がある)
ただし、果物については食事と言うよりは盆棚を華やかにするとう盛り物としての意味もあるので切らずにそのまま。
お盆の供え物①
ほおずきを盆棚や庭先に飾るご先祖様が迷わない目印として提灯を置いたり吊したりしますが、それの形に似ているので提灯に見立てて目印として盆棚や玄関に飾ります。
お盆の供え物②
お盆のお供え物としてイメージされるのが多い物がありますよね。
精霊馬
“Syoryou-uma,obon,katori-city,japan” by I, Katorisi. Licensed under CC 表示 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
きゅうり→馬にたとえられています。
ご先祖様があの世から帰ってくるときの乗り物
なす→荷物を乗せる物
ご先祖様があの世に戻る時お土産を乗せる乗り物 ※これも諸説あります。
他の説
- ご先祖様が早く来られるように馬を
- ご先祖様がゆっくり帰れるように牛を
という説も
精霊馬の飾り方
飾り方もあります。
初日の迎え盆の時には盆棚に対して頭を中に向けて飾る。
帰りには頭を外に向けて飾る。(ヘタの位置が頭)
お盆が終わったら お供え物はどうする?
昔は川に流していました。川に流すことでご先祖様がいらっしゃるあの世へ続く海へとそのまま流れていくと考えられていたそうです。
精霊流しや灯籠流しといい、今でも一部地域には残っています。
現代ではなかなか川に流すことができないので、家庭では和紙に包んで塩で清めて処分をするのが良いとされています。
江戸時代に出来たあるもの貧しい農民だった河村端賢が、流されたお供え物のキュウリやナスを漬け物にして売り出したところ、江戸の町で大ヒットしたそう。神様が福をもたらしたので、福神漬けと名付けたそう。(※これも諸説あり)
送り火
ご先祖様の霊が迷わずあの世へ帰れるよう送り火をたいたのが起源だそうです。(※これも諸説あり)
有名なのはお盆最後の夜を彩る京都五山送り火ですね。
“Gozanokuribi Daimonji3” by 佐野宇久井 – 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
五山と行っても実際には六つあります。
- 東山如意ヶ嶽 大文字
- 大北山 左大文字
- 万灯籠山 妙
- 大黒天山 法
- 嵯峨鳥居本曼荼羅山 鳥居型
- 西賀茂舟山 舟形
の六つです。
大文字から5分おきに点火され30分間点灯します。
点火時間をずらす理由は?
物語を表しているそうです。
image by京都五山送り火連合会
「下界で過ごしたご先祖さまが」、「南無妙法蓮華経と唱えながら」、「船に乗り」、「三途の川へ」、「鳥居を通りあの世へ帰る」というように反時計回りで点火されていきます。
一般家庭では?
ご先祖様の霊をお迎えするのが迎え火、送るのが送り火です。
迎え火はご先祖様が帰ってくるときの目印となり、送り火は門口や玄関でオガラを焚く煙に乗せてご先祖様を送り出します。※うちの実家のほうでは藁をお盆期間中毎日燃やしてましたけどね。
最後に
諸説あるお盆のたしなみ。今回ご紹介したたしなみや過ごし方などを基本とし、各地域・宗派の違いなどで違う部分を理解しながらコミュニケーションを取り、ご先祖様をお迎えしおもてなしをしましょう。
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